非鉄金属専門商社金属屋根メーカー

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平成23年12月1日号

第372号

 本年もいよいよ残り1ヶ月になりました。今年は3月に東北大地震、11月にタイの大洪水、EU域内の金融不安、円高など日本経済に大きな影響を及ぼすことが続出しました。日経平均も地震発生前の3月から30パーセント弱下がっていますが、電気銅も新年の840円から30パーセント下がっています。日米EUの不況が世界中に影響し、先行きが読めないようになってきました。厳しい環境が当面続くものと思わざるを得ません。
 大阪の秋の陣と言われた府,市首長戦は大阪維新党の掲げる政策が選挙民の支持を得る結果になりました。閉塞感を打破したい期待が多数の支持を呼んだと思います。党首の橋下市長、幹事長の松井知事がタッグを組んで2重行政のムダをどれだけ改善していけるか注目されるところです。橋下市長の発言では選挙で選ばれたからと言っても、行政のプロを自負する官僚は駄目なものは駄目とさまざまな理由をつけて抵抗し、話し合い説得していかないと前に進めないとの事、知事として行政改革に取り組んできた体験から出る言葉だけに肯けます。地方行政も国政も官僚は改革を忌避し、主権在官の権力を保持することに知恵を絞り国民を侮っているまことに厄介な存在だと思えてきます。知事と市長が維新党で一本化されたのでねじれ状態が避けられたのはなによりで、国政レベルでは官僚の抵抗だけでなくねじれ国会で野党のイチャモンが足をひっぱって全てに時間が浪費されている感は否めません。大阪市会も維新党は第1党にはなっていますが過半数を占めるまで至っていません。さまざまな困難が伴うことが予想されますが、元気の良い大阪都が誕生するよう維新党の活動に声援を送り見守りたいと思います。
 最後になりましたが、皆様から賜りましたご愛顧に厚くお礼申し上げますとともに、来年も相変わりませぬご鞭撻とご指導を賜りますよう心からお願い申し上げます。

平成23年11月1日号

第371号

 木枯らし一番が吹き、8日は立冬、冬は間近にきているが、紅葉の見ごろはまだまだ先のようである。まだ朝晩の冷え込みが緩やかな所為であろうか。
 タイは広大な低湿地帯に記録的な多雨が重なり、大規模な洪水となり、数多くの工場が操業不能に陥り、再開の目途もつかない有様になっている。自動車およびその部品、電子機器の組み立て、クーラーおよびその部品、カメラ、レンズ、加工食品等、広範な分野に日本の企業が進出しており、その影響の顕在化はこれからのことだが、かなり深刻なものになるのではと案じられる。
 日本を襲った大地震や、水害もそうだが、強烈で大型化している自然現象の脅威が、我々に気づかせようとしている事、それに気づき考えていかねばまだまだ手痛い事態に直面することが増えていくような気がする。このことは地球に住む全人類共通の問題であり、無視や楽観で放置しておくことが最早許されなくなってきている。人類の叡智が自然の脅威を克服できないことは原発事故でも明らかにされたごとく、我々人類は敬虔な姿勢と感謝の気持ちで大自然に対し、共存が許されるよう接していくことが大切だと思う。
 10月上旬大幅に下落した銅価がその後激しい上下動を繰り返し、水準を上げてきています。1ヶ月間に7回も変わり、変動幅も大きなものでした。世界経済が後退気味である事、他の非鉄金属の価格が落ち着いていることなどを勘案すれば銅だけがなぜかと訝れるが、此れはたぶん生産国の鉱山ストなどを材料とした投機筋の動きによるものと推察され、いづれ落ち着くものと考えられます。

平成23年10月1日号

第370号

 毎年、秋分の日にあわせて咲く彼岸花が、今年は珍しく一週間ほど遅れて咲いた。9月前半朝夕の気温が例年より高かったのが遅れたわけのようだ。金木犀の香りも漂い、これから秋本番、この季節の恵みを満喫したいと思う。
 12号15号の台風は大きな爪で大地を崩し、特に紀伊半島は記録的な豪雨で集落ごと避難生活が続くところもあり、自然の破壊力のすさまじさを見せられた。奈良県五条市から十津川村を経て和歌山県新宮市へ通ずる国道186号線は何箇所も土砂崩れで道路が寸断され復旧の目途が立たない有様と聞く。水は命の源であり、その水の輪廻が大地を潤し,全ての命を育んでくれている。バランスの取れた穏やかな自然の営みは命に恵みを与えてくれるが、バランスが崩れ自然が荒れ狂うと、命を育む水も命を奪い大地を崩す。東北大地震では津波になって、跡形なく流し、原発を破壊した。人間は自然には謙虚で感謝を忘れないことだとつくづく思う。同時に被害を受けられた方々が、元の平穏な生活に一日も早く戻られますようお祈り申し上げます。
 2008年のリーマンショックから丁度3年たった。日米欧の先進国の不況対策に各国は金融緩和を続け景気回復を目指してきたが、ギリシャ危機が欧州経済が抱える深刻な財政、金融問題として浮かび上がり、米国の景気減退も明らかになってきたことから、不安が広がり世界同時株安と国際資源価格の急落を齎した。銅は800円から600円に3割近く値下がり21年10月2年前の価格に戻った。価格動向の見通しは世界景気の今後の動向によるから、今しばらくは見通しも立たず、このあたりのゾーンで推移するのではないかと思われる。
 私どもとしては、供給責任を遂行する為、先行手配は避けられず、急激で大幅な値下がりによる損失は多大で極めて厳しい状態でありますが、価格の下落が需要の回復に繋がればいささか救われる思いであります。

平成23年9月1日号

第369号

 今日から2学期が始まり、登校する子供たちの制服姿を見て、新たな気分になるとともに、今日が『防災の日』であることに気がついた。節分から数えて210日、昔から台風の被害が多い頃であること、1923年関東大地震が発生したことなどから、不時に備えることの大切さを忘れないように定められている。折りしも、大型台風12号が本土上陸を伺っており、大事に至らねば良いがと心配される。
 民主党政権が国民から期待されて誕生して2年を経過した。野党が長く初めての与党故に、多少のもたつきは多めに見守ってきたが、小鳩やイラ菅が挙党一致体制のリーダーシップがとれず、政局闘争に終始する有様に、失望の念が国民の間に敷衍してきていた。かといって、昔の自民党はもういい。政治に対する思いは失望から諦観に変わってきていたと言えないだろうか。
 この度の党首選挙で非小沢が結集し、野田氏が選ばれ、親小沢の興石氏を幹事長にするほか挙党体制を重視した布陣作りが進行しているので、期待を持って見守って行きたい。この度の党首選の立候補がその力に一目おく小沢氏の恫喝力にも翳りが見えてきた。小沢氏も党内野党の党首のような言動を慎まねば彼の政治生命もそう長くは無いだろう。いろんな面から3年目に入る民主党が再び国民の信頼を取り戻せるようしっかり仕事をしてくれるよう希望するものである。

平成23年8月1日号

第368号

 我が国は降雨量に恵まれているが、集中豪雨に見舞われるとどうにもならない。このたびの新潟、福島両県の被災された地域の皆さんには、心からお見舞い申し上げ、復旧の早からんことをお祈り申し上げます。福島県は3月の大地震、原発のメルトダウンによる放射能汚染により避難生活を余儀なくされている方々が大勢おられ、解消の目途がいまだに立たないで、難儀しておられます。本当に、お気の毒なことで、時間のかかるものもあるでしょうが、寒い冬を家で凌げるように、復旧が進んで欲しいと願います。放射能汚染は目に見えず、計測器に頼るしかないので、実態はどうなっているのか、これからどんなことが起きてくるのか、稲作は大丈夫なのか、わからない事だらけで不安いっぱいです。
 原発については、地震が多発する日本に適したものでないことが、このたびのことで良く判りました。今までの推進方向を切り替え、漸次廃棄して行くべきものです。代替は何が主流になるか不明ですが、まず発送電システムを改定したうえで、多様化が進み、経済性や安定性、環境問題等から変化していくものと思います。
 8月6日から始まる高校野球大会の出場校が今日決まる大阪代表を最後に出揃います。炎天下、どんなドラマが展開されるか楽しみです。東北代表には一際大きな声援が寄せられることでしょう。出場校の選手、応援団の青春のエネルギーが我々に元気と勇気を与えてくれる大会になるでしょう。

平成23年7月1日号

第367号

 前線が少々北へ上がったせいか、近畿地方は梅雨が明けたのかと思うほど、真夏日と変わらぬ35度近い猛暑が続いています。全国節電モードなれど背に腹変えられず、クーラーの設定温度を少し高めにして凌がざるを得ません。これから2ヶ月、暑さに負けず、体調を崩さぬようご自愛ください。
 さて、今年も前半が終わり後半に入ります。大変な半年でした。大地震が齎した影響は深く広くその大きさにいまさらながら戸惑うばかりです。生活の基盤を奪われ、100日以上たった今も、避難生活を余儀なくされている方が元の生活を取り戻せる日が何時になったら来るのでしょうか。避難先にはクーラーも無く寝付けない日々で体調を崩されている方が大勢おられるのではないかと心配です。そんな方々のことを思えばクーラーもできるだけ控えて我慢し、汗ばんだ体はシャワーで流し、扇風機の風に涼を覚えるのも節電になります。
 節電の夏が本格化する中、自治体の中には削減家庭に商品券を送る促進策を打ち出したところがあるようですが、図書館やホテルのロビー、ショッピングセンターなど、冷房の効いたところで午後の昼寝を愉しむのも名案です。削減家庭はおそらく自治体の予想を上回ることになるでしょう。供給余力が3%をきると停電警報を発令し1%をきれば計画停電を実施する可能性が高い時間帯を発表し、実際実施する場合は2時間前に発表すると報じられていますが、警報がでることはあっても実施されず済むようなって欲しいものですし、皆が協力してそうなると思います。
 国難と言える大震災の復興を進めるために国会の夏休みは許されません。与野党が菅降ろしをしばし棚上げし議案審議や法律の制定など一定の目途をつけるよう急いで大事な仕事を片付けてほしいものです。最後にもう一言。小鳩の巣づくりはもう要りません。

平成23年6月1日号

第366号

 入梅は普通6月に入ってからのものだが、今年は平均より2週間早くなりました。田植えが済んだ農村ではいいお湿りですねと喜ばれる雨だが、大震災で地盤が沈んだ地域の方には,憂鬱な雨になる。復興がはかどらず、長い避難生活を強いられている人々に、降り続く長雨は心を重くさせるばかりであろう。本当にお気の毒なことである。いつどこで起きても不思議でない地震大国に住む我々には他人事ではなく、東北の人々の心情に思いをはせると胸が痛む。
 そこからは、みなで協力しようよとなるのが当然のことと思うのだが、そうなっていないのが今の政局である。自公は民主党の分裂を狙い、不信任案を提出すると言う。小沢派はそれに組し、除名なら新党を作り,自公と連携することも考えると言う。本当にどうしようもない人たち、これでは日本復活の道筋が混迷を深めるばかりで見えてこない。まことに悲しく残念なことだが、政治が低次元な政局争いに明け暮れる日本は確実にその力を落とし沈んで行くと心配されてならない。
 このたびの地震で原子力発電の依存度が高まってきていた事実と、事故が発生した場合広範囲に生命を脅かす放射能汚染が生活基盤を奪ってしまう現実を知り、エネルギー政策を根底から見直す動きが世界的に広まってきている。風力発電、太陽光発電、地熱発電、バイオ発電など多様な発電方式の中から、環境にやさしくコストの低いものが育つよう図るべきだ。そのためには日本も足かせになっている発送電を分離し、新エネルギーを促進しやすい状況にするよう法改正を急ぐべきである。

平成23年5月6日号

第365号

 地震発生後、2ヶ月弱経過し、ようやく被害の全容が見えてきたように思える。未だ行方不明者が1万人を超える状況の中で、進めていかねばならない復興への手立ては、容易なものではない。政,官,民がそれぞれ力を一つにして、この国難を克服するべく全力を挙げて取り組まなければならず、これは我々日本国民に課せられた一大プロジェクトだと言えよう。ところが、政官民の内、政がまとまりが悪く思えてならない。与党内にも足を引っ張る輩が大勢おり、野党も頼み方が悪いとケチをつけ、一緒に頑張ろうという動きが国民の前に見えてこない。次の衆議院選挙までは民主党政権による政治体制が続くのだから、首相の首をすげかえようとするチマチマした動きをする輩にはうんざりする。またそれを逐一報道するマスコミの知性の貧困にも失望する。この国難を克服するためには与野党が復興へのプロジェクトを利害を超えて協力することが肝要で、その前提に首相交代を云々する暇など許されない。また、菅首相の下でそれを進めることが成否を左右するものであってはならない。菅首相の下では協力できないと言う人には事の本質を見据える能力が欠けているとあえて苦言を呈したい。亡己利他の精神を発揮し世界から信頼され、賞賛される行動を見せてほしいと願わずにはおれない。
 25兆円と言われる被害総額も風評被害を加えるとどれほどのことになるか見当もつかないが、いずれにしても国民が挙って背負わねばならないし、増税もやむなしの覚悟は必須だが、先に増税ありきでは景気が落ち込み、政策としては上策とは言えない。復興が進み景気が良くなるまで急かないほうがよいだろう。原子力発電も国が国策として進めてきたことであり、このたびの事故の責任も国が取るべきという考え方は納得できる。民主党マニフェストもご破算で、復興一本でお願いしたい。明日の日本が禍転じて福となすことを信じ、みんな一緒に頑張ろうではありませんか。

平成23年4月1日号

第364号

 2011年3月11日。この日は1945年8月15日とともに日本人にとっては忘れられない日になった。東北関東大地震。津波。17万戸の家屋が瓦礫と化し、3万人を超えんとする犠牲者が命を奪われ、さらに原発事故が発生して、収拾がつかない事態になった。10万人を超える自衛隊が日夜瓦礫の山と格闘し、道路の確保や行方不明者の捜索にあたっているが、復旧への道のりはまだまだ長く、簡単には進まない。鉄道、道路、電気ガス水道、教育、医療など全てが地震や津波で消滅してしまった。まさに国難でこれから国を挙げて復興へ取り組んでいかねばならないが、今こそ日本人の底力を発揮すべき大事な局面に対峙していると自覚し、全国民が一致協力していかねばならぬ時だと思います。財政再建は後回し、復興国債を出して国際協力を得て、復興資金を作り、国土の回復を図ることが急がれます。そのために、政治も主義主張を捨て、一体になって働くべき時だと力をあわせて欲しいと思います。
 非鉄金属関連では八戸の亜鉛精錬所、小名浜の銅製錬所が損傷し、いまだ操業再開の目途がついていません。関東地区の工場も停電の影響で操業度は6~7割に落ち込み、鉄鋼関連も同様さまざまな供給不安がでています。電力の消費量とGDPは相関関係があり、東電の供給不足は当分続くので景気に及ぼす影響は大きいと予測されます。当面景気の落ち込みは避けられませんが、日本は必ずこの国難を乗り越えていくものと信じます。善意の義捐金は昨日現在で700億円、まだまだ増え2、000億円を超えるでしょう。海外からの義捐金や物資の援助もありがたいことです。私たちもじっとしてはおれません。

平成23年3月1日号

第363号

 今日から東大寺二月堂の修二会の行が始まった。14日まで続くが、関西ではこのお水取りの行が終わらないと本格的な春は来ないと言われ、まさしく三寒四温の時候である。春の彼岸を過ぎると花粉の飛散が強まり鼻や眼を悩ませる。強弱の差はあるが、およそ2000万人の人が影響を受けていると言われ、6人に一人となれば身近に悩む人が大勢いるわけで、マスクをしている人を多く見かける。 大阪では大相撲春場所が無くなり、街中を歩く相撲取りさんの姿が見えないのは、季節の風物詩が欠けた感じで少々寂しい思いがする。八百長問題を片付け、早く再開する日が来ることを皆が心待ちしているはずだ。
 新燃岳の大噴火、ニュージーランドの地震、大地が揺動している。地震多発地域に住むわれわれには起こりませんようにとただ祈るしかすべが無いが、万一に備えて職場や家庭で話し合い準備できることを確認しておくべきだろう。アフリカ北部ではチュニジアに始まりエジプト、リビアへ独裁政権に鬱積を爆発させた民衆デモが広がり、この地域はまだしばらく混乱が続き、場合によっては飛び火もあるかもしれない。インターネットが国境を越え情報が瞬時に世界中に広まる時代、中国や北朝鮮も気にかかることだ。情報網の遮断や情報のcheckをめぐるさまざまな攻防が国家プロジェクトになってきている。
 国際競争力の強化を目指し、新日鉄と住金が合併を発表した。昨年不発に終わった値上げも今年は背水の陣で臨むことになりそうだ。石油、穀物などの値上がり、日本のデフレにも転換点が来ているのだろうか。超低利金融政策の続行が許されなくなる局面が起こる可能性も考えられそうだ。そうなれば、国債の新発や既発国債の下落など深刻な影響が避けられないことになる。
 3月は年度末、多くの企業が決算期を迎え、前期より増収増益の見込みのようだが、雇用には慎重で、多くの若者が就職先も決まらぬまま卒業を迎える。若い人材は国の宝であり、自己研鑽で一段と能力を引き上げ、チャレンジする気概を持ち続けて欲しいと願うばかりである。

平成23年2月1日号

第362号

 昨年夏の猛暑の記憶はまだ鮮やかだが、今冬の寒さもことのほか厳しい。1月30日深夜の降雪は列車や自動車の運行を止め、自衛隊の出動が要請された。道路の除雪は言うに及ばず人家の雪下ろしもせかれる。寒気のピークは明日ごろから和らぐようだが、そうなればまた雪崩れが心配になる。オーストラリアでは大洪水が発生し、鉱産物の発掘や運搬がストップし、その影響が世界に及んでいる。ラ・ニーニャの影響によるもので、その影響により偏西風が南へ下がって蛇行していてシベリヤ大陸から寒気が下がり日本本土を冷凍庫にしていると言われている。しかし、季節の移ろいはたしかな足取りで進んでいる。百花の魁、梅は蕾を膨らませ、早いものは2~3輪花が開いている。立春を過ぎれば各地から梅便りが寄せられるようになるだろう。
 アフリカのチュニジアで独裁政権が崩壊し、エジプトに飛び火してムバラク政権打倒の動きが燃え上がり、アラブ諸国政権を震撼させている。イスラム諸国とイスラエルの摩擦が厳しい緊張をはらませている地域であり、今後の展開がどうなっていくのか気にかかるところである。アメリカの株価は急落し、石油や金価格が上昇した。景気回復を図る先進国の金融緩和が資源や食料の高騰をもたらし、インフレの様相を濃くしてきていることを警戒するBRICS諸国が新たな経済政策を打ち出してきており、投機マネーの跳躍にブレーキがかかると期待しているが、果たしてどうなるのか予断を許さぬ状況になっている。
 アジア大会のサッカーの決勝戦のテレビ観戦はしびれました。決勝点をあげた李忠成のシュート、それを可能にした長友のアシストは見事という言葉だけでは言い尽くせない素晴らしいものでした。鍛え抜かれた体力、技能、精神力が攻撃、守備に一体となって戦う120分、最初から最後まで走りまくり一寸の時も気が抜けない激しい格闘技を見た気がします。野球など到底及ばぬ究極の競技スポーツはサッカーだと思うようになりました。

平成23年1月5日号

第361号

 新年明けましておめでとうございます。皆様のご健勝、ご繁栄をお祈り申し上げますと共に、本年も変わらずご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
 バブルが崩壊してからゼロ成長とデフレが続く20年、隣国中国の目覚しい成長にその影も薄くなり、アジアの盟主はもはや日本でなく中国に変わりつつあります。日本丸の船長は1年と続かず、次々と変わり、多くは羅針盤の操作も知らず漂流するがままに,船体に赤字国債という貝がビッシリくっつき動きもままならず、座礁、沈没もあわや時間の問題とさえ思えるさまであります。日本だけでなく米国もEUも財政と経済の建て直しに苦戦しており、金融緩和や低金利政策も経済活動を刺激する効果より秩序のないマネーゲームの副作用ばかりが目立つ有様です。
 石油、金、非鉄金属等の新高値は副作用の代表的なものです。銅は昨年12月から、史上最高値の更新が続き、1万ドルの大台が目前まで来ています。日本円では平成20年7月に1000円/㎏の大台に乗ったことがありますが、円高で相殺されており、12,000ドル近辺まで到達すれば、国内産銅建値も史上最高を示すことになると考えられますが、もとより関連産業が歓迎するところではありません。必ずや実需の減退に繋がり、そのダメージが長く続き苦しめられるからです。
 建材用銅板条はそれに代わる素材があり、その影響はすでに出てきております。マネーの膨張で膨れた風船はいつか必ず破れますが、それがいつのことか、どのあたりの水準か想定できるものでもありません。在庫を絞り被害を最小限にとどめることも重要ですが、欠品でご迷惑をかけることは絶対避けねばならず、それが私たちの責務だと思っています。ステンレスもニッケル、鉄鉱石等の原料高を価格に転嫁できず、メーカーの採算を悪化させており、値上げの圧力が高まってきています。需要と供給のバランスをとり市中在庫が減少すれば、一段高が現実のものになると考えられます。
 今年も厳しい状況が続きますが、私たちはQuick response,Quick deliveryをモットーに、皆様のお役に立ちますよう一生懸命努めます。どうか倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。最後に、皆様にはつつがなき1年であられますようお祈り申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。