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建材用銅板・銅条

建材用銅板・銅条(三菱マテリアル)について

銅板銅板


規格:銅板 JIS H3100 リン脱酸銅板(DCUP) C1220P-1/4Hまたは1/2H
    銅条 JIS H3100 リン脱酸銅条(DCUR) C1220R-1/2H

製造メーカー:三菱マテリアル株式会社 
不燃認定:国土交通大臣認定 NM-8595


広幅銅条(欧州製)について

広幅銅条広幅銅条


規格:銅条 JIS H3100相当 リン脱酸銅条
板厚:0.3mm/0.35mm/0.4mm/0.5mm 
幅 :1000mm
製造国:欧州製
在庫販売 


打ち出し用ナマシ銅板について

ナマシ銅板ナマシ銅板


板厚:0.5mmx1000mmx2000mm
   0.6mmx1000mmx2000mm
その他の寸法も対応可能です。

建築用銅板・銅条の性質
銅板には無酸素銅・タフピッチ銅・リン脱酸銅があります。この中で屋根板金用に使用されるのはリン脱酸銅です。製錬時にリンを使用するので微量なリンが残存するのがリン脱酸銅です。折り曲げ加工や溶接などに最適な種別です。
物理的性質
下の表は屋根に使用される金属材料の物理的性質を比較したものです。施工法や用途により、それぞれの金属の性質を理解して使用することが重要です。特に金属の場合、熱膨張による伸縮が大きい問題となります。銅は鉄の1.4倍でステンレスとほぼ同じで、アルミの70%です。真夏の銅板の表面温度は80℃程度になり、冬季との温度差は90~100℃となります。この温度差で熱膨張を計算すると100x1.7=170mmとなり、すなわち100mの瓦棒を1枚で施工した場合、170mmの伸縮が発生することになります。このため銅板の施工は最長6mまでとされ、一文字葺きにおいても5~6m程度で伸縮用のエキスパンションをとることが提案されています。
また、伸びにくさや曲りにくさの目安となるヤング率では鉄の60%程度で、かなり軟らかいことがわかります。これは加工しやすい長所の反面、伸縮や外力によって変形する短所ともなります。硬さは鉄の3/4ステンレスの半分で、表面が傷つきやすく加工時や施工中に十分注意が必要となります。

各種金属の性質
性  質  銅   アルミ  亜鉛鉄板 SUS304
比  重   8.94 2.70  7.86  7.93
線膨張率(mm/100m/℃)   1.7  2.4  1.2  1.7
熱伝導率(W/m・℃)   385  138  54  16
比熱(J/g・℃)   0.38 0.96 0.48   0.5
降伏点(N/㎟)  137   216  264  235
ヤング率(10N/㎟) 12 7  21  20
引張強さ(N/㎟) 245 245 343 588
せん断抵抗(N/㎟) 
196
98 
294
490
硬さ(Hv)   75  75  100   150 

 


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化学的性質

銅の化学的性質
銅板の変色とその過程

施工前の銅板は赤橙色の光沢を持っているが、大気にさらされると表面に亜酸化銅や酸化銅が生成して薄い褐色に変化し、次第に暗褐色となります。特に施工した直後には雨が降るごとに変化しやすく、表面に生成された極めて薄い被膜が干渉色となり、これが異常酸化や銅の成分を疑われることがあります。これは経年変化の一過程であり、一般的に3~6か月後には色調の変化が少なくなり安定してきます。その後、雨水や周りの環境の影響をうけながら、徐々に緑青の生成が始まります。最終的に長い歳月を経て塩基性炭酸銅や塩基性塩化銅などが複合的に生成され、緻密で水に溶けにくい保護被膜となります。銅の酸化物はその種類により色調が異なり、この酸化物は周りの環境や、屋根の勾配や部位により違ってきます。このため同じ屋根でも均一にならず、場所が違えば色調も異なります。すべての銅板が同じ色調変化をたどるものではなく、自然環境や建築条件により大きく左右されます。一般的な色調変化は以下の通りです。
赤橙色-褐色-暗褐色-黒褐色-緑青色

銅板施工当初施工当初


銅板約20年経過約20年経過


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銅の耐薬品性
下表は銅の各種薬品等に対しての耐薬品性の表です。アンモニアやアンモニア化合物、硫黄、硫化水素、水銀等には特に弱く、硝酸や濃硫酸に侵されます。硫化水素や硫黄ガスが発生する温泉地域や、高温で硫黄分を含む重油などを熱源とする排煙設備などでは腐食する可能性が高くなります。
銅の耐薬品性
条件
腐食
条件
腐食
条件
腐食
アルコール
A
水銀
D
硫黄(乾性)
B
アンモニア(湿性)
D
天然ガス
B
硫黄(溶性)
 D 
水酸化アンモニウム
D
 硝酸
D
二酸化硫黄(湿性
 B 
塩化アンモニウム
D
 窒素
A
硫酸
 B 
硝酸アンモニウ C  酸素 A 亜硫酸 B
硫酸アンモニウム C  海水  B   タール  A
炭酸水 B  下水  A  ワニス A
二酸化炭素 B  石鹸水  A   飲料水 A
塩素 C  塩化ナトリウム B  工場環境 A
水素 A 水蒸気 A  海水環境  A
硫化水素(湿性) D  酢 B  田園環境 A

A:完全耐食で腐食は起きない  B:一部の環境を除いて問題なく使用可能  C:腐食されるが一部の環境で使用可  D:適さない


設計・施工の注意点

銅屋根は雨が降るとイオン化して微量ながら銅イオンが雨水に溶け出します。この銅イオンがコンクリートやモルタルに落ちた場合、これらのアルカリ物質と反応して水酸化銅となり、モルタルやコンクリートを緑色に染めます。また、石に落ちた場合、炭酸ガスを吸収して炭酸銅となり石を緑色に染めます。このように銅屋根の雨水が雨樋を使用せず直接落ちる場合、外壁や軒下の雨水が落ちる箇所には予め注意が必要です。

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電蝕について

電位差が異なる金属が水分を介して接触すると、電子が移動して電池のような状態となります。この現象を電蝕と呼び、電位差が大きい金属同士の接触はそれだけ腐食が著しくなります。
下表は主な金属材料を電位差順に並べたものです。下表のように銅とステンレスは電位差が小さく、電蝕は起きません。近年では銅屋根を固定する場合の釘はステンレス製が主流となっています。
ガルバニック系列

+

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

-

US316 ステンレス鋼

SUS304 ステンレス鋼

モネル合金

ニッケル

アルミ青銅

黄銅

すず

すずはんだ

鋳鉄

軟鉄

アルミニウム合金 2014

アルミニウム合金 2017

カドニウム

アルミニウム合金 5052

亜鉛メッキ鋼

亜鉛

マグネシウム


引用:日本伸銅協会 伸銅品データブック

LinkIcon三菱マテリアルHP

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銅板の耐久性

銅板の穴あき現象について

銅板穴あき現象写真1


銅が酸性雨で腐食し、穴あきが発生すると指摘されて久しい。しかし、この現象は瓦屋根における銅製軒樋と、腰葺きにおける瓦と銅板葺きの接触部に限定されます。この原因は瓦の中央で雨水が集中し、しかも落差があることで、形成された酸化皮膜が剥離されたり、新たな皮膜が形成されなくなるために起こる現象(エロージョン現象)と考えられます。(写真1参考)また、瓦や釉薬から溶出する成分にも大きく影響するといわれています。この銅の腐食が酸性雨によるものであるならば、全面銅板一文字葺きの屋根でも同様に穴あき現象が起こるはずです。写真2は平成14年にリニューアルされた大阪市中央公会堂の銅板葺きの塔屋の写真です。1918年に板厚0.35㎜で施行されてから80年以上経過した屋根は、安定した天然の緑青に覆われ、まったく腐食は見られません。この様に屋根全体が銅板で施工された場合、腐食による穴あきは発生していません。このことより、腐食現象は酸性雨による影響より使用法によるものであると想定されます。これを防ぐ方法とし、現在では瓦と接する部分を2重葺にしたり、板厚を上げるなど施工法が提唱されています。  

銅板80年経過写真2


腰葺き施工例腰葺き施工例


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酸性雨に対する銅屋根の耐久性能


我国の酸性雨の状況は第3次調査(平成5年度~平成9年度)ではPH4.8~PH4.9(年平均値の全国平均)が観測されています。酸性雨とはPH5.6以下の雨をいうが、銅の溶出量はPH4付近から多くなり、PH3.5でほぼピークとなります。しかし、銅はPH5近辺ではほとんど溶出しません。下表は1986年~1989年の4年間で国際標準化機構腐食分科会がおこなった世界48ヶ所の銅減耗調査です。東京での減耗率から計算すると板厚0.35㎜が0.2㎜になるのに約250年かかるのがわかります。また、日本で一番過酷な条件といわれる沖縄でも、板厚0.35㎜が0.2㎜になるのに約65年かかると推定されます。

銅の減耗量調査 / (世界48ヶ所:86年~89年の4年間平均) 

銅の減耗量調査 / (世界48ヶ所:86年~89年の4年間平均)

東   京
0.0006㎜/年
硫酸濃度の高い場所(東京の3~14倍)
0.0014~0.0033㎜/年



銅の減耗量調査 / (世界48ヶ所:86年~89年の4年間平均)

沖 縄 0.0023㎜/年
塩分濃度の高い場所(東京の2~6倍) 0.0017~0.0031㎜/年



銅板の耐久性

LinkIcon10銅屋根の耐久性についてpdf(393KB)

参照日本銅センター資料より

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硫化/硫化緑青/緑装

硫化銅板について

硫化銅板硫化銅板


硫化銅板施工例施工例


硫化カリ水溶液などを用いて、人工的に黒褐色の銅板に酸化処理させた化学発色法の銅板です。塗装と違い雨水や大気などの影響を受けやすく、黒褐色から時間をかけながら徐々に天然緑青に移行する表面処理です。

硫化緑青塗装銅板について

硫化緑青塗装硫化緑青塗装


硫化緑青塗装硫化緑青塗装


硫化緑青塗装は硫化加工後に緑青色の散らし吹きにより、さらに風合いを高めた着色法です。

緑青塗装銅板「緑装」について

ひろしま美術館ひろしま美術館(2017年撮影)


ひろしま美術館(2020年撮影)



緑装経過状況左施工直後   右1ヶ月曝露


緑青色塗装銅板「緑装」は銅板にブラッシング処理をした後、緑青色の塗装を散らし吹きした着色銅板です。散らし吹き塗装のため施工直後は銅板の生地が見えますが、雨水の影響で短期間に光沢が無くなり、色調が安定すると緑青色がさらに際立ちます。銅板の表面は雨水の影響を施工直後から受け、硫化銅板や硫化緑青銅板より早く天然緑青の発生が期待できます。
硫化銅板/硫化緑青/緑装/規格表
板 厚(mm) 幅(mm) 長さ(mm)
0.30
365 1212
455 1212
0.35
365 1212
455 1212
606 1212
0.40 365 1212
455 1212
606 1212
0.50 365 1212
455 1212

 


硫化/硫化緑青銅板硫化/硫化緑青銅板
LinkIcon銅板表面処理チラシpdf(324KB)

緑装チラシ
LinkIcon緑装チラシpdf(444KB)



注1. 硫化銅板及び硫化緑青塗装銅板、緑装はすべて受注生産品となります。
注2. 硫化銅板は化学発色のため色調に多少の色むらが発生する場合がありますが、この色むらは時間の経過とともに徐々に目立たなくなります。
注3. 硫化銅板及び硫化緑青塗装銅板、緑装は表面被膜の性質上、曲げ加工を行うと加工部から剥離が起こることがあります。この剥離部は時間の経過とともに徐々に目立たなくなります。
注4. 硫化銅板及び硫化緑青塗装銅板、緑装を使用して腰葺きや額葺きを施工した場合、瓦の構造的影響により局部的に皮膜が還元し、銅板生地が露出する場合があります。
注5. 硫化銅板及び硫化緑青塗装銅板、緑装はハンドメイドのため多少のバラつきが発生しますので、予めご了承願います。
注6. 本表面処理は焼付塗装と違い、その地域の環境により様々な経年変化を伴いながら最終的に天然の緑青に変化します。

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在庫表

銅板梱包状態銅板梱包状態 銅板出荷梱包状態銅板出荷梱包状態
建材用銅板在庫表
板 厚(mm)  サイズ(mm) 1枚の重量(Kg/枚) 梱包枚数(枚)
0.20 365x1212 0.8 50
0.25 365x1212 1.00 40
0.30 365x1212 1.20 40
455x1212 1.50 30
0.35 365x1212 1.40 30
455x1212 1.75 30
606x1212 2.40 15
0.40 365x1212 1.60 30
455x1212 2.00 20
606x1212 2.70 15
1000x2000 7.20  
0.50 365x1212 2.00  20 
455x1212 2.50 20
1000x2000 9.00  

LinkIcon銅板在庫表pdf(27KB)

銅条(小コイル)銅条(小コイル) 銅条出荷梱包状態銅条出荷梱包状態
建材用銅条在庫表
 幅(mm)  厚さ(mm) 長さ(m)  制定重量 (kg)
182 0.30    
0.35    
0.40    
227
0.30    
0.35    
0.40    
303 0.30 60 48.6
0.35 50 47.3
0.40 45 48.6
305 0.30    
0.35    
0.40    
365 0.30 50 48.8
0.35 40 45.6
0.40 35 45.6
0.50    
455 0.25    
0.30 40 48.7
0.35 35 49.7
0.40 30 48.8
0.50    
500 0.30    
0.35    
0.40    
 606   0.30  30  48.7 
0.35  25   47.4 
0.40 20 43.4
1000 0.30 20  
0.35 20  
0.40 20  
0.50 15  

LinkIcon銅条在庫表pdf(35KB)

在庫については欠品する場合もあります。また,内容についても予告なく変更する場合がありますので、ご了承願います。


広幅銅条広幅銅条銅条(大コイル)銅条(大コイル)

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