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平成21年12月1日号

第348号

 本年も余すところ1ヶ月を切りました。政治面では半世紀以上続いた自民党政権に下野の審判が下り、大きな変革がありましたが、景気の面ではなべ底を這っている感じで、明るい兆しは見えず、来年に一段の悪化がありそうに思えるほど不安が満ちています。楽観的に見ても横ばいで御の字ではないでしょうか。
 これから厳寒期に入り風邪が流行る季節になりますが、新型インフルエンザが心配されています。ワクチンが国産で間に合わず輸入されているようですが、副作用云々の話も聞きます。新型といってもマイナーチェンジした新車のごとく、全く変わったものではなく、従来のインフルエンザに年配の人はたいてい免疫力があるようですから、マスコミが騒ぐことに踊らないことが賢明でしょう。大切なことは手洗いとうがい、それに充分な睡眠を取ることでしょう。
 今朝の日経に中国の外貨準備高がドルに偏重していることを改善するために、金を1万トン備蓄するべしという高官の発言が記事になっていました。実現のほどは不明ですが、石油や銅、その他もろもろの資源確保にきわめて積極的な行動と通じる話で、ドルの信用が著しく低下してきている今日、賢明なリスクヘッジといえるでしょう。中国と共に外貨準備高の大半を米国債の購入に充ててきているわが国は米国と運命共同体のような関係にあるだけに、中国と同じようなことが出来るはずも無いですが、といって手をこまねいているだけではと、複雑な思いにさいなまされます。
 最後になりましたが、この1年皆様より賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げます。皆様がご健勝にて良き新年をお迎え下さいますよう心からお祈り申し上げるとともに、新年度も倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

平成21年11月1日号

第347号

 この季節になると日本の国は結構南北に長いとあらためて気づかされる。道央は早、銀世界。関西はこれから紅葉を楽しむ季節に入る。沖縄はどうだろうか。ハイビスカスや百日紅がまだ咲いてるのだろうか。太平洋側と日本海側で晴雨が別れるのもこれからの季節の特徴で、日本海側では其のうち雨があられや霙になりやがて雪が本降りになる。今年は暖冬と見込まれているようだが、それでもインフルエンザには格別の用心が肝要である。
 情報は専らネットで収集する若い年代が増えた影響によるものなのか、近年新聞の発行部数は減少の一途を辿っているらしい。既に地方紙では数社が廃刊に追い込まれている。マス‐メディアの多様化と変化の波を乗り切ることが出来ないところはこれからも増えるだろう。それにしても今や民放テレビの低俗番組のオンパレードには辟易する。吉本興業が放出する新米コメディアンにギャルが嬌声を上げるやたらやかましい番組、芸能人の下ねたをおいかけるフライデーといずれ劣らぬ陳腐な報道、大麻事件の酒井法子を追いかける大袈裟ぶり、他にネタはないんかいなと嘆かわしくなる。コマーシャルが収入源だから止むを得ないとおもうが、一段と上がるボリュウム、もう見る気がしない。最近はNHKまで真似て、番組予告などのときボリュウムを上げる。NHKは視聴料を貰って運営しているのだから、民放と同じようなことなどして欲しくない。
最近のテレビは性能も良くなり、大画面で世界を観光したり、名料理人のご馳走を作るノウハウを間近に見たりでき、有り難いものあるが、それにしても活字離れが進む流れが気にかかる。分厚い書物を読むことの無い若い世代に、せめて新聞ぐらいは読みなさいよと薦めたい。

平成21年10月1日号

第346号

 2016年のオリンピック開催地をきめるIOC総会がデンマークのコペンハーゲンで開催されるが、名乗りを上げている都市のなかで可能性の濃いのはシカゴとリオデジャネィロで東京は目が無いらしい。誘致活動にシカゴはオバマ大統領夫妻が、マドリードはスペイン国王、リオデジャネイロはブラジル大統領が出席するので鳩山さんもぜひと言われ、行かれるらしいが、忙しい総理に勝つ見込みの無いところへ行ってくれとは、まことに酷な勝手なお願いをするものだと思わぬでもない。政権交代間なしで、超多忙なはずだから、周りが充分配慮しなければ、体調を壊しはしないかと心配する。補正予算の洗い直し、来年度予算の骨組みなど従来の仕組みを新たに構築するため、政,官共に超多忙を極めており、日本のIOC委員や東京都知事の面子に関わっているところではないはずだ。オリンピックが誘致できれば経済効果はきわめて高いだけに、成功させるに最高の切り札を使いたいところだが、見込みが無い勝負なら話は別である。いずれにしろ3日早朝には決定しているはずだ。
 民主党はマニフエストで掲げた児童手当を秋の特別国会で決議し、所得制限を設けず実施するべく準備を進めている。1000万円以上の年収者ははずせとか、金額を抑えて保育施設の拡充に回せとか、様々な意見があるようだが、此れは中々面白い政策ではないかと思っている。全てが内需に向けられず貯蓄に廻る分もあろうが、子供の教育費に充てられればこれはずばり内需の拡大に繋がり、即効性は無いが出生率の上昇も期待できるのではなかろうか。人材は国の宝、それを生み育てるための国のバックアップは予算の順位で上位に来るのは当然だと思う。 内需振興といえば箱物が手っ取り早く、其の方に予算もついていたが、潮の目は民需の刺激に変わりつつあるように思える。日米欧の景気回復はまだまだ遠く時間のかかることを、しっかり思い極め耐えて行くことが肝要である。

平成21年9月1日号

第345号

 朝夕は気温が下がり、凌ぎやすくなってきました。これからは日毎、秋の気配を感じる度合いが増してきます。
 衆議院選挙は予想通り民主党が過半数を制し、戦後の混乱期を除けば、初の野党政権が発足することになりました。政治史上では革新的な選挙であったと言えましょう。久しく続いた自民党政治に逼塞感を抱いた国民の総意が政権交代を求めました。
 戦後60有余年、大きな変化をなしてきた内外の情勢を踏まえ、わが国の未来への針路を樹立しなければならぬ大きな課題を先延ばしして、目先の人気取り政策の実施だけで終わらぬよう国民は期待し、一方で少々不安も抱いてこれから4年間民主党政権の仕事を見守って行くのです。前回の郵政解散選挙も今回の政権交代選挙も小選挙制度で行われ、世論の多数の支持を得た党が圧勝する結果になりました。小選挙区において民主党が得た得票数は3300万票,一方自民党が得た得票数は2700万票,得た議席数は221対64、自民党を支持した票の多くが死に票になりました。これは前回の郵政解散選挙に正反対の現象で、小選挙区制度は以前の中選挙区制度に比べて多数世論が後者はマイルドに反映されるに反し、前者は極端に反映されることを物語っているといえます。このことから今の選挙制度に異を唱える向きもあるが、世論の多数がはっきり見える形は、国民の政治への関心度を高めており、民意が反映されやすく、再考を要する制度ではないと思います。野党は揚げ足を取るだけでなく、政策に切磋琢磨し2大政党として、国民の信頼が寄せられ、再度の政権交代を促されることになれば、成熟した民主政治が定着していくと期待されるからです。
 最後に日経新聞に掲載されていた、ある見識者の発言をご紹介します。『民主党が官主導から政治主導といっているのは正しい方向だが、政治主導と政治家主導は違う。政治家が全部やれと言っても此れは無理な話。官僚をうまく使うことが必要だ。行政は最大のサービス産業だ。国民の満足度を上げないといけない使命を負っている。サービス業で顧客満足度をあげるためには従業員満足度を上げる必要がある。顧客と従業員が接する場面が多いからだ。行政で国民の満足度を上げるためには、役人のやる気を起こさないといけない。役人をただたたいていじめても、国民の満足度を上げる方向には行かない。役人を甘やかす必要は無いが、最近の傾向は役人いじめが強すぎる。』此れは経営にも通じることと思いご紹介しました。

平成21年8月3日号

第344号

 七月下旬は天候が安定し、夏山登山には最適と言われているが、大雪山系の登山ツアーで悪天候のため死者が出た。九州北部や、山口県では豪雨による大きな被害が続出し30人に及ぶ痛ましい犠牲者が出た。想定以上の自然の威力にはどうしようもないが、これほどの記録的な長梅雨は初めての体験である。七月下旬、大阪では四天王寺の愛染祭りに始まって、天神祭りを頂点にあちこちで夏祭りが賑やかに行われるが、今年は雨にたたられ、カラッとした暑さとは違い、タダタダ蒸し暑い。去年は7月12日に梅雨明け宣言されたのに、一体どうしたことだろう。
 衆議院が解散し、8月末に向けて活発な選挙戦が早始まった。最早、政権交替の流れは棹を刺すまでも無く、国民の多数が既定のことと見ているようで、民主党が政権与党になり、どのように国政の舵取りを進めていくか、期待と不安があいまって、各党の政策に国民の関心が寄せられている。選挙のマニフェストは人気取りを目的としたばら撒き政策ばかりで、其の財源は省庁へ国会議員を送り込み金庫調べをして掻き集めることも考えているようだが、一方では配偶者控除を廃止して、所得税の実質増税が考えられている。
 経済成長が止まり、富の分配に格差が出てきた社会の舵取りは、当然変革を伴い、過去を踏襲することでないのは当然だろう。世界に眼を転ずれば、アメリカの一極覇権体制が綻び、中国が東アジア最大の国家になり、イスラム国家やアフリカ諸国とも活発な取引や投資をおこない、軍事力予算はアメリカを抜き今や世界最大であり、其の存在感は日本の遠く及ばないものになっている。日本がイランと進めてきた石油開発も日本が米、欧とのからみで腰を引いている間に中国にさらわれてしまった。

 日本が60年前の安保体制のままいくことも難しい国際情勢の変化、隣国である中国抜きの経済は考えられない結びつきになっている今日、これからの日本はどうなるのか、どう進むのか、其の指針を樹立することも大事なことである。
独自の宗教観や文化を持つ日本は、地政上も恵まれ、前世紀の愚挙も過去のことと免罪符をいただけるようになった。今やわれわれは地球上の全人類に日本の未来を語りかけるような大きなグランドデザインを作り、世界平和に貢献し、国民が希望を持って生活する国家になっていかねばならない。
しかし、民主党にいまそこまで期待することは酷かも知れない。選挙民の人気ばかり気にする小粒の議員集団にならず、国家100年の計をはかる政党に成長することを願うばかりである。

平成21年7月1日号

第343号

 今年もはや残り半分の折り返し点に差し掛かった。少しも良い話が聞かれず、寂しいことだが、季節で言えば冬の時代に入っているのだから、此れは至極当然のことかもしれない。いずれ国政選挙もあるのだが、自民党政権が民主党政権に変わったとしても、それで日本が冬から春の季節を迎えることに繋がるとは、到底期待できないし、政治家の椅子の奪い合いの茶番劇を鑑賞するだけのことだが、しかし、政治体制に一つの節目を付けるころあいが来ていることは確かなように感ずるこの頃である。民主党政権が誕生するかどうか定かではないが、一つの節目の誕生により、国民の政治への認識が高まり,旧弊を改めていくことに繋がればと思う。
 鉱工業生産指数は2~3月を底にやや改善したようであるが、景気は依然として底を張りついたままである。有効求人倍率も5月は前月より更に悪くなっている。辛抱してれば其のうちに少しは良くなるだろうと待っていても、待ちぼうけを食うだけである。食い扶持が減った時、どのような手を打つか、才覚を働かせたものは生き残れ、それが出来なかった者は落伍を免れないであろう。そんな厳しい時代に私たちは直面している。

平成21年6月1日号

第342号

 新型インフルエンザ騒動も沈静化し、マスク姿の人を見かけることも少なくなったが、寒い季節になるとまたぞろ出てくる可能性も有りそうで、今のうちにマスクを確保しておく方が良さそうである。甲子園球場のみならずラッキーセブンの風船揚げは自粛されたが、色色なところに売上げ減の影響が出たようで、それでなくても景気が良くない時だけに、パンデミックにならず治まっているから一安心である。
 アメリカのG.Mが日本の民事再生法に相当する手続きに入ることになった。米政府と労組と取引先が株主になる新会社の前途も、自動車業界全体が抱える新エネルギー時代への転換の波に乗れるか、其の成否が問われることになろう。トヨタが生産台数でナンバーワンになったが、其のトヨタも巨大化した組織にありがちな弱点を克服して、その地位を保ち続けることは容易ではないだろう。
 三井金属の伸銅事業部と住友金属鉱山の子会社住友金属鉱山伸銅が新会社を設立し統合すると発表された。両社の生産能力を併せると月6000トンで黄銅が70%を占める。需要減による操業度の低下に悩む業界だが、統合による合理化でコストを引き下げ、価格競争力を保持するには最良の選択と言えよう。
 景気回復を人頼みに待つことが許されない厳しい時代の最中にいることを痛感する。

平成21年5月7日号

第341号

 緑滴る好季節に、長い休み、ETC効果で高速道路のドライブインはいずこも超満員、海外旅行は新型インフルエンザの影響でキャンセルが増えたとか、悲喜こもごものゴールデンウイークでした。高速道路の大渋滞を避けた人が多かった所為か、予想より流れが良かったように思いましたが、皆様は如何でしたか。
  新聞の広告に、国内外を問わず廉価旅行プランの宣伝が目立ちます。高齢者にとり暇は充分にありますから、中身と費用に眼が惹き付けられ、旅心をそそられるものが沢山出ています。若葉青葉の野山の美しさを愛で、温泉に身を浸し、土地の美味を食し、生かされていることの幸せを満喫することは、まさしく醍醐味で、ゴールデンウイークをはずしたこれからがベストシーズンといえましょう。不況で失業者が鰻登りに増えているとき、多少気が引けますが、暇と金に余裕のある人が、気兼ねせず楽しんで下さるとお金がまわり、地方にも余慶が廻ると言うものです。安全で、気軽に旅立てる国内旅行が、静かなブームを興し、地方経済を潤すようになれば良いと思います。
 ちょっぴり脱線しますが、そばの話しです。そばはお米同様、日本中どこでも作られ、信州そば、山形のわんこそば、出石のねぎそば、神田そばなど各地にブランドが多数ありますが、私のお勧めは(越前おろしそば)です。冷たいそばに辛目の大根おろしとだし汁をかけていただくのですが、あっさりした味と腰の利いたそばの食感は秀逸です。地元で取れる越前そば粉は普通のそば粉の3倍ぐらいする美山産を筆頭に品質にすぐれ、地元産そば粉100%にこだわる職人気質に支えられ、全国のそばファンに高く評価されています。越前にお出かけの機会があれば是非召し上がっていただきたいと思います。その折は期待が裏切られないためにも、是非地元の人にお勧めの店を聞いてください。タクシーに聞くのも良いでしょう。

平成21年4月1日号

第340号

 桜前線もこのところの冷え込みで、平年並みの開花になったようだが、入学式には散り始めた桜より、開き始めた桜の方が似つかわしい。入学式に親子がとる記念写真のバックに、そんな桜がはいっておれば最高である。
 新年度が始まったが、政治も経済も視界不良で先がまるで見えてこない。しかし、お隣の中国は少々わが国とは異なるようである。中国もこのたびの世界同時不況の影響を受け、多くの企業が倒産し、失業者が増大し、就職難民対策に大童であるが、帰村する労働者対策に多大な予算を組み、家電製品の購買補助金の交付、農村のよろずや開業支援等、内陸対策の実行を迅速に行っているようである。学卒の就職難対策としては大学院への進学を支援することも始めている。政治体制が日本やアメリカと異なり、そのうえ財政力も充分あるから、決定も迅速、其の実行も早い。内陸のインフラ投資に銅は必需資材であるから、既に中国は銅の輸出を禁じ、量の確保に動いている。その影響で年初3,000ドルであったLME銅相場が最近は4,000ドル前後まで上昇してきている。人口の多い中国やインドが景気回復の牽引車になるほどの力があるのか疑問だが、期待する向きは多いと思われる。
 抗日、排日教育を永年にわたって行ってきた中国との感情的摩擦は日中双方にマイナスに作用しており、中華思想に対する警戒、嫌悪が根強いが、これからは相互理解を深めて、仲良く隣人の御付き合いしていくことが双方にプラスになるに違いない。
  プロ野球の開幕を前にして、今年の順位予想が喧しいが、タイガースファンの私も、残念ながらセ・リーグの優勝は巨人と予想する。若手の戦力が成長してきており、阪神にはそれが無い。甲子園球場が一新され、近鉄と阪神電車が繋がり、奈良から乗り換えなしで便利になった。出来るだけ応援に行き、六甲颪を美酒と共に歌いたいと思っている。

平成21年3月2日号

第339号

 春は名のみの風の寒さやで・・・始まる『早春賦』の歌詞さながらの季節であるが、時には、ふた月ほど先の陽気になる日もあって、ことに外出するご婦人方が着るものに頭を悩ませる頃でもある。風邪も寒い時より、今頃の方が油断をして引きやすいもので、花粉アレルギーの人には特に応える季節である。
さて、サブプライム破綻に発した金融恐慌は、歴史上の記録に残る世界大不況を齎し、今、私たちは過去経験したことの全てを超えた次元の最中にいる。世界の株式市場は更に下値を更新するであろうし、底打ちを確認できるのはおそらく2011年になるのではなかろうか。私たちが経験していない1929年世界大恐慌も恐慌前の水準に戻るのに5年を要したところから、全治5年と言う声が飛んでいる。新興国の高い成長率を見込んだ設備投資が、過剰生産力となって市場を圧迫し、価格の下落、減産、コストの上昇の三重苦が企業を襲っている。発注されていた設備投資も一時見合わせからキャンセルになるものが増え、失業者は益々増加し、生活防衛する消費の冷え込みで需要は一段と落ち込むと考えられる。
 雇用調整給付金制度の活用が応急対策で大繁盛しているが、一時しのぎとしては有効だが、抜本的な対策としては不十分であり、企業としては正社員の人員整理まで踏み込まざるを得ないだろう。雇用にたいする社会的な企業責任をまっとう出来ない自責の念と人情を振り切ることは、経営者にとって誠に厳しくつらいものであるが、最早躊躇が許されない事態に来ているのではないだろうか。
  一方、このような時にこそ平素できなかったこと、例えば新商品の開発、社員の能力向上のための研修会などに注力するべきではないだろうか。      職を失う人も、生き残りをかける企業も、『災い転じて福と為す』と強い心を持ちこの難局を乗り切って行きましょう。

平成21年2月2日号

第338号

 1月20日第44代アメリカ合衆国大統領の就任式典に行われたオバマ大統領の所信演説は全世界に報道され、大きな感動、共感、期待と希望を与えた。アメリカの過去の誤った対応を率直に認め、対話を重ね理解しあうことから問題解決を図っていくことを全世界に呼びかけた。低迷する国内経済の建て直しに早急に取り組み、貧困や紛争の絶えない困難な世界において、民族、宗教、文化の違いを包み込んで引き続き強いリーダーシップを取ろうとする決意が伺え、其の高邁な精神と叡智に満ちた演説は、後日、新聞に原文と和訳されたものが掲載され、それを読んで一層の感銘を受けた。彼を大統領に選んだアメリカという国の力をあらためて評価したいと思う。
 翻って、日本の政治は低迷と混乱の泥沼にはまり込んだままでないだろうか。自民党が与党の座を維持するため、社会党と組んだり公明党と組んだり、訳のわからないことを繰り返し、一方、選挙民は2世議員のチエックに甘く、簡単に責任を放棄する苦労知らずの坊ちゃんを担いで国会へ送り出してきた。今日の未曾有の大不況を抜け出し、希望ある未来を築くためには、今は自民党、民主党が覇権争いをしている場面ではなく、速やかに総選挙を行い、両党の叡智を集め、中、長期のわが国のビジョンを作り、国民の信頼と協力を得ることが緊急の課題ではなかろうか。オバマ大統領のごとき、国民に忍耐を求め、勇気と希望を与えるような首相の所信演説を聞きたいものである。残念なことに私たちには未だそれが無い。

平成21年1月5日号

第337号

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は格別のご愛顧を賜り誠に有難うございました。本年も何卒倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
  昨年は1年を通して、需要の低調が続きましたが、とりわけ10月から世界中が金融恐慌に巻き込まれ、株式市場は大幅に下落、実物経済の様相も急変しました。工場の閉鎖、失業者の増大、倒産など様々な現象は不況に見られる当たり前のことですが、この度の不況ばかりは過去の景気循環の流れのものとは同一視できないように思えます。
 小泉首相が進めた構造改革、規制緩和は派遣労働者を増やし人材を物と同じように扱える仕組みを作りました。終身雇用制度という日本古来のセーフティネットは日本の国際競争力を損なうものとして否定され、社会人になっても正社員になれる門は狭く、派遣社員になるより仕方ない若者が増えました。人口減少、老齢化、に加えて、所得の階層化が進み、貧困者が激増していることが、様々な問題を生み社会不安を増大させています。これでは内需の拡大も公共投資に頼らざるを得ないが、財政再建の足かせで中途半端なことしか出来ません。外需は順調に伸び好景気の原動力でしたが、急ブレーキがかかり、元に戻る目途は見えてきません。国民に『安心と活力』を持たせる政策がなく、 (不安と諦め)を抱かせ、政局争いに奔走している政治に、何一つ期待できるものがありません。
  今年も私たちを取り巻く環境は誠に厳しく、容易ならざるものですが、目標を建て、臥薪嘗胆(薪の中に寝て身を苦しめ、志を忘れぬ様苦い肝をなめる)の強い精神力で、乗り切っていかなければなりません。
 私たちは顧客第一主義を旨とし、クイックレスポンス、クイックデリバリーに努め、皆様のお役に立つ良い仕事をしていきます。
  最後になりましたが、皆様のご健勝とご繁栄を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。