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平成28年12月1日号

第432号

 今回の米大統領選挙は専門家が想定していたヒラリークリントンでなくトランプ氏が勝利した。flyover peopleの反乱と言うようである。過去30年の間に東海岸の金融界と西海岸を中心としたシリコンバレーとハリウッドは国際競争力を保持してきたが中西部に多い製造業は日本、韓国、台湾、メキシコそして中国などの台頭で衰退し多くの労働者が失業し、成長を続ける東西両岸は頻繁に飛行機が行き来する一方で、そうした飛行機がただ頭上を飛び交うだけ(=flyover)の中西部は経済成長から置き去りされた人々が続出することになった。そういう人たちの総称がflyover peopleである。これらの声を代弁し自由貿易から保護貿易への転換を唱え支持を広げたトランプは早速TPP離脱宣言を表明した。日本は成長するアジア経済圏の中で自由貿易推進の旗振りをしてきたが、米国の離脱や、中国がTPPに対抗し実現を目指してきた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の動向など日本にとっては実に悩ましい状況になってきている。自由貿易が世界経済を活性化し多くの経済成長国が誕生してきたが、各国が保護貿易策に走るようになれば間違いなく経済は停滞の方向に向かい摩擦も増えることが懸念される。
 今年は総括すれば中国の経済が低迷しその影響を受けて世界経済も停滞気味であったが、持ち直しの気運が出てきたようである。非鉄金属がなべて価格水準を上げてきたのも明るい材料といえよう。来年は酉年、明るく、賑やかな、楽しい年になってほしいものである。
 最後に、この1年賜りましたご愛顧に厚くお礼を申し上げますと共に、皆様がよき新年をお迎えくださるようお祈り申し上げます。

平成28年11月1日号

第431号

 秋が深まり、日が傾いてきたかなと思うと、あっという間に空が茜に染まり、日が沈んでしまいます。釣瓶落としとは、そんな秋の夕暮れをいう言葉です。釣瓶とは、井戸から水を汲み上げる滑車を使った桶のことですが、日の沈む速さを、井戸の底へ釣瓶がサーっと落ちていく様子にたとえます。東西に長い日本では、札幌と沖縄は経度で15度、時間にするとちょうど1時間違いがあります。札幌が暗闇になったころ、大阪は茜色、沖縄はまだ太陽がまぶしい時間です。おもしろいですね。
11月15日は子供の成長を祝って神社へお参りする習わし七五三参りの日ですが、昨今は10,11月の好天の休日に晴れ着姿の親子がお参りする光景が見られるようになり、現代の生活に合わせた合理的なことだと微笑ましく眺めます。
国連で核禁止条約交渉入り決議が採択されたが、唯一被爆国である日本は、米ロ仏英中など保有国と同じ反対票を投じたという報道に唖然としました。『核なき世界』を訴え核兵器廃絶を掲げる一方、米国の『核の傘』に守られている矛盾を抱えているから、このような実に主体性のない行動が露呈され、実に恥ずかしいことですが、之が現実なのだということを忘れてはなりません。譬えが悪いとお叱りを受けるかも知れないが犬の尻尾みたいで自立できていないのです。

平成28年10月3日号

第430号

金木犀ほど季節感を感じさせる花はない。眼に入らなくてもその香りが印象深くて独特である。だが残念なことに4,5年前から私の嗅覚は完全に利かなくなって良い香りも悪い香りもぜんぜん判らなくなってしまい、匂いは記憶のなかにあるだけである。耳も遠くなり、身体機能はすべからく衰えているにちがいない。頭の中も骨粗鬆のようにスカスカになっているのかもしれない。
 間違いなく、月日は経ち、早10月だ。天高く空は晴れ、とは参らず、曇り空でむしむしする日が続いている。10~12月の産業天気図を日経新聞が発表しているが、鉄鋼、非鉄は引き続き小雨、新たに百貨店が小雨に変わり、低迷する業種が増えている。円高、株安が財布の紐を締めるほうに作用し、消費も企業の投資も低調のようである。しかし産業天気図が小雨でも元気の良い企業は沢山ある。その仲間に入れるよう気合を入れて頑張りましょう。

平成28年9月1日号

第429号

 9月1日は『防災の日』です。大正12年(1923年)9月1日関東大地震が起きました。また節分から210日台風の多い時季になるので防災の意識を高めるよう定められました。
今年は太平洋中部の海水温が高く日本に近いところで台風の発生が続き、3個の台風が連続して東北沿岸を北上し北海道に大量の雨をもたらしました。そして10号は勢力を強めて岩手県に上陸、北海道は河川の氾濫で大きな被害を受けました。気象衛星のお蔭で気象の予報は正確になりましたが、自然の脅威はいかんともしがたく、最小の被害ですむよう普段からの備えが肝要だと思います。地震にいたってはいろいろな研究がなされていますが、まだまだ予知することが出来ません。先日イタリアで多くの人が亡くなる地震がありました。昨夜は熊本で震度5の地震がありました。日本は海洋プレートがぶつかり、活断層が張りめぐる地震国です。いつどこにおきるやらまったくわからない。怖いことです。どうにもなりませんが、起きたとき慌てふためかず沈着に対応、行動できるよう備えておくことが大切です。我が社はどうか。我が家はどうか。
皆さん、是非チエツクしてください

平成28年8月1日号

第428号

 暑中お見舞い申し上げます。
1年中で最も暑い時季ですが無理をせず無事乗り切って下さいますようお願い申し上げます。夏の風物詩に定着した高校野球は今年第98回を迎え7日から甲子園球場で全国大会が始まります。古豪あり初出場あり15日間熱戦が繰り広げられることでしょう。今年はどんなドラマが展開されるか楽しみですね。時を同じくして5日から、ブラジルリオデジャネイロでオリンピックが始まります。南米大陸では初めてです。因みに南半球で開催されるのは1956年のメルボルン2000年のシドニーに続き3度目です。冬季にあたり平均気温は22℃前後で朝晩は結構肌寒くスポーツをするには良い条件といえるようです。日本選手の活躍が期待されます。ロシアの組織ぐるみのドーピング疑惑が内部告発されて調査の結果が明るみに出ました。筋肉を増強する効果のあるものを摂取することは昔から行われてきただろうと思いますが、医薬品で服用を禁じられている筋肉増強剤の検出を免れるため検体をすり替えていたのです。組織ぐるみで犯した違反行為に対し、オリンピック委員会は出場禁止の処置をとるべきだと思うが競技別の委員会の判断に委ねている様で、ここでも政治の力学が働いているように思えます。
今年から国民の祝日が一つ増えました。8月11日『山の日』です。山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日です。海の日が7月にありますから山の日が作られても可笑しいことはありませんが、国の定めた祝日はずいぶん増えて16になりました。お盆休みにくっつくように定めたようです。海の日も最初は7月20日で始まりましたが近年は第3月曜日になっており連休を増やしゴールデンウイークやシルバーウイークと言うように国民の消費活動を活発化する狙いがあるようで、そのうち祭日のない月6月にも作ろうということになるのでしょうね。

平成28年7月1日号

第427号

 今年の梅雨はもういいよと言いたくなるほどしっかり大地を潤します。しかし、七夕が過ぎるころから日に日に夏の気配が強くなってきます。今年はラニーニャの影響で太平洋高気圧が強まり列島を広く覆う猛暑が予想されています。
 魁ニュースに政治の話は禁物ですが、あえて取り上げることをお許し願います。安倍総理は憲法を改正し、戦後レジームからの脱却を実現することが自分の使命だと心に期しています。そのためにはまず選挙で大勝利を獲得しなければなりません。それにはアベノミクスで経済を活性化し消費税引き上げで景気を冷やしたくないので、2017年4月から実施することにしていた10%引き上げを2年半再延長することにしました。之について民意を問うのが7月10日の参議院選挙といわれています。
 消費税の再延長ははたしてどうなんだろう。疑問を抱きます。増大する社会保障費が税収と支出のバランスを崩し、国債の発行残高がGDP(国民総所得)の2倍を越えた財政を改善するため導入された消費税は1989年4月3%でスタートしました。1997年4月5%になり2014年4月8%になり2015年10月には10%になる予定でした。しかし之を1年半延長することにし2017年4月からに改定しました。それをこのたび再延長し2019年10月から実施するとしました。実に当初の予定から4年の引き延ばしです。2020年にはプライマリーバランスにする財政改善の計画はどこかへ吹っ飛んでしまい国が抱える借金は膨らむばかりです。
 財政再建は棚上げして憲法改正へまっしぐらと揶揄したくなります。

平成28年6月1日号

第426号

 伊勢志摩で開催されたG7サミットの後、オバマ大統領は広島を訪れ原爆碑に献花し演説した。『71年前、明るく、雲ひとつない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました』の言葉で始まった演説は格調の高いものでした。科学の進歩が齎した大量殺戮の核兵器は所有国が増えました。広島、長崎の被爆地を訪ね、悲劇の実相を見れば、我々は気づかされます。永遠に使われないものにするには廃絶しかないのです。しかし現実それが不可能であることを知っているオバマ大統領は演説の最後を道徳的に目覚めようと結びました。8年前のサミットは北海道洞爺湖湖畔、今回は伊勢志摩、共に風光明媚なところでしたが8年後は広島か長崎で行なってほしいなと思いました。
 東北大地震で福島の原発がメルトダウンし、今なお汚染で避難生活が続く方が大勢居られることを忘れてはなりません。完全なクローズシステムを目指しても地震国『日本』ではありえないことが明らかになりました。人智を凌ぐ大自然の力に我々は謙虚であらねばなりません。ドイツに学び、日本もすべての原発を廃炉するべきではないでしょうか。
 パナマ文書が報道され租税回避に走る金持ちや企業のリストがリークされています。残念ながら氷山の一角が見えただけでタックスヘイブンは情報秘匿性が高く脱税の道具として世界中で使われてきているものです。人類の富の半分を百人ほどの富裕層が持っている。こうした富の不均衡を生み出した社会の矛盾を改善していくことこそG7やG20がテーマとして取り組んでいくべきことだと思います。
 梅雨に入ります。お体に気をつけお元気でお過ごしください

平成28年5月6日号

第425号

 地震、雷、火事、おやじと言えば怖いものの代名詞だが、なんと言っても大地が突然揺れる地震ほど恐ろしいものはない。
4月14日の熊本地震は震源が浅いため局所的に揺れが大きく私が体験した1948年の福井地震とよく似ているが、余震のスケールが違う。福井地震のとき余震が続き1週間ほど家の畳を畑に出し蚊帳を吊って寝たが、それでも余震は60数回、このたびの熊本地震はなんと1200回を超え、中には本震並みの激しいものもあって、長い避難生活を余儀なくされているひとが大変多い。水や電気など生活インフラがストップし復旧もままならず罹災された方々のご心労はいかばかりかと心よりお見舞い申し上げます。
日本はとりわけ地震の多い国で、絶対安心といえるところはどこにもありません。そしてそれは予告なく突然くるものですから防ぎようもありません。私どもの会社も1995年の阪神大震災の折は大きな被害を受けました。配管が揺れで外れ建屋が水浸しになり、自動倉庫は大きな揺れで棚が動き、パレットがずれて棚から飛び出し一部の商品は落下して駆動機のシャフトが曲がり動かなくなるなど大変な事になりました。2つある自動ラックのうち、ひとつは棚のずれや飛び出したパレットを直すため1週間止まっただけで平常に戻りましたが、もうひとつのラックは損傷した駆動機のシャフトの製作に日時を要し復旧したのは1ヵ月後のことでした。
このたびの熊本地震でも多くの工場が操業ストップになっていると報道されましたが、生産設備が自動化しているものは動かなくなった場合その内容によっては復旧に時間がかかることが多いと考えられます.操業ストップが長くなれば会社の損失が大きくなり関係先にも少なからず影響が及び迷惑をかけます。防ぎようのないことで運を天に任せるしかないでは済まされず、できればリスク分散を図り、万が一のことが発生しても片肺が動く体制をとっておくことが企業責任として大切だと改めて思うのです。

平成28年4月1日号

第424号

 桜が満開です。今日から新年度、新しいスタート台にたった方々の前途が幸多きことを祈ります。あせらずあきらめず着実に歩んでくださいと、はなむけの言葉を贈ります。
 2年前の4月に消費税が5パーセントから8パーセントになりました。27年10月から10パーセントになる予定でしたが安倍内閣は景気の腰折れを懸念し29年4月からに延期しました。景気を良くする為アベノミクスといわれる経済政策を推進してきましたが、いまひとつ盛り上がらず、最新の経済指標もやや後退気味であることを表しています。今の状態で消費税10%を実施すれば消費が落ち込み景気を悪くすることが目に見えており、再延長論が巷間聞こえてくるようになりました。安倍内閣は肯定していないが、内外の経済学者の延長論をメディアに流し再延長止む無しの環境を整えているように見えます。
 原油の価格が底打ちをみせたように非鉄金属の価格も底を打ったようです。景況感が春のように暖かくなってほしいものです。

平成28年3月1日号

第423号

弥生三月、いよいよ春の訪れです。奈良東大寺の修二会の行事も始まりました。降る雪も雨に変わり大地がうるおい目覚めるころです。冬篭りしていた虫も目を覚まし姿を現しだします。公園の木々の桜やこぶしの花芽がこの頃は膨らみが目立ってきました。スキーなど冬のスポーツを楽しむ人には冬との別れがさびしいことですが、春は柔らかな光に新緑が輝き色とりどりの花が咲き暖かなそよ風を受けて生きていることの幸せを強く感ずる季節なので私は大好きです。
景気にも春の到来を期待したいところですがこちらはまだ冬篭りのようで、厳しいものがあります。ここ2,3年の金融政策に偏った景気刺激策のみでは効果が見えてこず、第2第3の矢など何なのかわからない有様です。マイナス金利なら円安株高を期待しましたが、完全にはずれ円高株安が展開されています。
中国の不況の影が世界に大きな影響を及ぼしているのでしょう。

平成28年2月1日号

第422号

 三寒四温の季節になってきました。寒暖を繰り返しながらだんだん春になっていきます。
今週3日は節分です。今年の恵方は南南東とか。福を呼ぶよう縁起の良い方向に向かって、1本食べ終わるまで口をきかず、無事息災を願い、鬼は外福は内と念ずるのです。
 新年に入って株価の下落、原油や銅価の急落に驚きました。先週末、日銀がマイナス金利導入を発表したことにより株式市場は上昇、為替は円安に転じてきました。マイナス金利導入は銀行が日銀に預けている当座預金に罰金を課すという金融政策で、これにより銀行の民間への積極的金融促進を期待するものですが、現実は金融市場の活況にとどまり一般市場経済に及ばないのではないでしょうか。
 シリアの内乱、難民、イスラム国、テロの多発など混沌としたGゼロ世界の情勢を考えば今は静観のとき、何もしないのが無難というものでしょう。
 春の高校野球の選抜校が発表されました。福井と青森が1県から2校選ばれることも夏の大会にはないことです。プロ野球のキャンプも始まり、球音が春風に乗ってこだまします。
 たのしみは朝おきいでて きのうまで無かりし花の咲ける見る時 橘曙覧(独楽吟)より

平成28年1月5日号

第421号

 あけましておめでとうございます。年頭に当たり皆様のご健勝とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。尚、本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
 2015年は中国経済の低迷が世界経済に大きな影響を及ぼし、資源国や新興国の経済も落ち込みました。石油や非鉄金属等の価格は一年を通して下落を続け、銅は年初800円から25%、アルミ地金も割増金がトン当たり400ドル下がり、ニッケル地金は年初14200ドルが35%ダウンになっています。銅は建値がLME市場に直結変動し伸銅品にも反映されますが、アルミはクオーター制3ヶ月の平均価格を採用し変動は緩やかになっています。ステンレスの場合は日本のメーカーが市況対策を講じ採算重視の戦略をとっていますが、輸入品との格差が広がり市況が変わることが懸念されます。いずれにしろ、中国の景況が変わらないかぎり2016年の商品市況は2015年後半の延長で推移すると予測されます。円ドルの為替水準は2000年から2015年の15年間を見ると、105~120円のゾーンが長く120円以上の円安場面は少々でした。予測は出来ませんが参考になると思います。
 アベノミクスは第3の矢を放ちましたが、その具体策は見えないので矢ではなく的だと揶揄されています。日経ダウも2015年末20000円、円ドル為替は121~125円が予測されていましたが、19000円に届かず米国の利下げ後も円安の動きは出ていません。1月4日の証券市場は大幅下落の厳しい幕開けとなりました。気温上昇による異常気象(12月平均気温が高く梅の開花が40日早い、三ヶ日が4月の陽気)、イスラム国問題など波乱要因が心配です。どうか、この1年が平穏でありますよう願わずにはおれません。『先憂後楽』の心構えで無事この1年を乗り切るよう心して歩みたいと思います。