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平成20年12月1日号

第336号

 本年も残すところ僅かとなり、新年を迎えることになりますが、新しい歳を迎えるときに抱く期待、希望、決意、高揚感が、残念ながら湧いてきません。此れは私個人の歳のせいかもしれませんが、どうもそれだけではないように思うのです。100年に1度と言われるほどの金融危機が世界を覆い、深刻な不景気に直面、倒産や失業が増え、その連鎖がドミノ倒しで広がっています。この深刻な症状がいつ頃快復に向かうのか、まったく目途が立っていません。おそらく、様々な治療の手を尽くしても、相当長い期間かかるのでしょう。このような状況の所為で、不安が先立つているのではないでしょうか。
 しかし、このようなときこそ、厳しい環境をふまえ、耐えること、順応すること、苦境を脱することに、知恵と力を発揮することが命運を左右すると言えましょう。損益分岐点を見直し、黒字体質を保持することが最重要課題で、社員一致の協力の下、此れを推し進め実現することが出来れば、いつの日か心地よい春風を感じる日が訪れてくるでしょう。共に頑張りましょう。
 本年皆様より賜りましたご愛顧に心より感謝申し上げ、皆様のご健勝とご繁栄をお祈り申し,併せて、新年も倍旧のお引き立てを賜りますよう伏してお願い申し上げます。

平成20年11月4日号

第335号

 デリバティブを駆使したアメリカの金融システムの崩壊が全世界に波及し、株価も商品価格も急速に下落の一途を辿る10月であった。実物経済も世界同時不況に突入した。海上運賃も下がり出し、減便せざるを得なくなっている。1929年の世界恐慌を知らないので、その再来なのかどうかわからないが、80年前と違うところは、潜在成長率の高い国が新興国を中心として数多くあるので、不況の程度が世界恐慌のところまで行くことはないだろうと思いたい。
 それにしても、あらゆる金融商品が大幅に下落したため、多くの人が大なり小なり手持ち資産の目減りに出会った。消費の落ち込み、所得の減少、失業率の上昇などがこのさき益々心理不安を掻き立てていくことになれば、世界恐慌の再来に繋がらないとも限らない。未然に防ぐためには各国が景気対策を最優先に迅速に実行していくことが必要であるが、元凶のアメリカが大統領戦の最中で、新大統領の就任が来年4月であり、実質空白期間が半年近くあるのは難儀なことである。
 日本では、早く選挙をしたい政党が、急に態度を変え補正予算国会に協力したが、はぐらかされて今、地団太を踏んでいるようだが、実際この局面で選挙でもなかろう。 銀行も融資の安全確保に神経質になっており、資金繰りに窮した倒産が増えていきそうで心配である。
 本年もあと2ヶ月を残すのみになりました。年賀状の印刷やおせち料理予約受付などが始まり、早、年末商戦が始まっております。月日の経つのは早いものですが、我々を取り巻く不景気は去年の後半から始まり1年以上になりました。未だまだ続くトンネルですが躓いて転ばぬよう気をつけて歩みましょう。

平成20年10月1日号

第334号

 米国の一部金融機関の行き詰まりが、金融全体の機能不全を招く(システミックリスク)が始まっていると言われだした。システミックは全身のという意味で全身が危険な状況になってきていると言うことである。信用不安が世界経済を覆い、深刻な世界同時不況に入ってきたと受け止めねばならない。国会議員はどこの国も同じで選挙に弱く、選挙を間近に控えている議員はウオールストリートを救うために税金を使うことは許せないと金融対策法案に反対し否決したため、世界中の株式市場は狼狽し萎縮してしまった。事態はウオールストリートの範疇を超えて、ドル経済圏全体の命運を左右する問題に直面していることを彼らは理解できていないようである。我々は10数年前に、この種のことを体験したが、そのスケール、影響力は比較するまでも無く強烈だと言えよう。従って、全治にどれぐらいの年月がかかるのか、一説には5年と言われているが果たしてそんなに早く立ち直るのか不安である。
 戦後のアメリカは群を抜く経済力、政治力で世界の信用を集め、ドルを国際通貨に高め、様々な経済システムをグローバルスタンダードにして、世界の中枢國として君臨し、アメリカのモデルは世界のモデルと自他とも認められるところがあったが、どうやらそれも終止符が打たれる局面に来たのかもしれない。国際商品に積極的に投資してきたフアンドマネーも一斉に手を引き、石油価格をはじめ非鉄金属もこれから大幅にその水準を下げていくものと思われる。
 日本は輸出の好調が唯一景気を支えてきていたが、世界同時不況に落ち込みは免れず、厳しい局面が続くものと覚悟を決めて、生き残りを図らねばならない。

平成20年9月1日号

第333号

 今回の北京オリンピックは時差が1時間しかないため、テレビの前で日本選手の活躍に沢山の人が声援を送った2週間でした。短距離のジャマイカ、長距離のアフリカ勢の活躍、脚力の劣勢を見事なバトンタッチでカバーした男子400メートルリレー、平泳ぎの北島選手の2連覇など感動と興奮を数々堪能しましたが、圧巻は女子ソフトボール日本チームのアメリカとの決勝戦でした。前日2ゲームの激戦を投げぬいたエース上野選手が指の豆の皮がはがれているにも拘らず、投げぬく気力にナイン全員が守備や打撃で応え、初めてアメリカチームを下した瞬間、選手の涙と笑顔に感動で体が震えました。女子サッカーも体格で勝る相手に、巧みなパスワークでボールを支配し善戦しました。柔道もレスリングも女子チームは立派な成績を残しました。人並みを超えた練習と鍛錬の賜物に、心から拍手喝采を送りましょう。
 今日9月1日は『防災の日』、おりしも大型ハリケーン『グスタフ』のアメリカ本土上陸に備え、ニューオーリンズ市民に避難命令が出されたと報じられています。2005年『カトリーナ』で市の8割が水没し、多くの市民が亡くなったばかりで、未だその記憶も生々しいところです。備えと対策で無事乗り切れたら良いのだがと祈るより他ありません。日本でも局地的な豪雨による被害が増えていますが、自然の営みに人智で棹差すことは不可能であり、謙虚にひれ伏すしかないことで、できることはささやかな備えと心構えだけかもしれません。しかし、全ての人にとって此れは他人事ではなく、何時わが身に降りかかるかわからないことであり、不時に備える心構えと備えが大切であることを改めて教えてくれるのが、この『防災の日』の意義でありましょう。

平成20年8月1日号

第332号

 極地が地球温暖化の影響によって、ここ数年の間でも大きく変化しているさまを伝える報道番組を見る機会が増えている。温暖化が全人類の問題として、取り上げられるようになって久しいが、先月の洞爺湖サミットにおいても、具体的な対策の決定は何もなされず、各国のエゴが邪魔をしていることがはっきりした。今のままで進めば,いつの日か、自然の摂理を無視した人類は厳しいしっぺ返しを受けるだろう。温帯域に属する日本も亜熱帯域に入るようになり、動植物の体系にも様々な変化が出てくるだろう。りんごの産地はロシアやアラスカになってしまうかもしれない。白熊は絶滅しているかもしれない。人類にとって貴重な蛋白源である魚を確保するため、鯨を保護するのは愚かなことと世論が変わっているかもしれない。地球上のごく一部を除いては、水は油より高いのが当然となっているかもしれない。
 そんな先のことを心配してもどうにもならないし、なるようにしかならないのが、この世の定めと諦観し、それより、まぢかに迫っている鳥インフルエンザの危機から身を守るための備えぐらいしておいた方が良いかもしれない。空気感染で広まり、死亡率もきわめて高いといわれている。地震対策と鳥インフルエンザ対策,この2つに対する備えを、家庭でも職場でもおさおさ怠りなきようしておくことが大切じゃないだろうか

平成20年7月1日号

第331号

 大阪府の橋下知事が財政再建のため、人件費の削減や,不要資産の見直しなどに取り組み、様々な抵抗に出会いつつも奮闘している報道に、拍手声援を送っているのだが、どうか腰折れしないで頑張って欲しい。税収が減ってきたら不足分を起債して、借金を増やす無責任な行政を正すことを、大阪から全国へ、中央へと広まっていく事になれば、まことに喜ばしいことである。
 我々の企業においても、売り上げが落ち込み、収支が誠に厳しい状況に直面しているが、これから先の国内の需要の伸びが期待できない中では、収支のバランスを改善するための対策に取り組み、早急に実行に移さなければ、憂うべき事態に直面すること必至といえる。足元の出費を必然のこととして、入りを図れば、無理な販売に走りがちになる。今は入りを計る前に足元の出費の削減を図り、損益分岐点を下げることが肝要である。
 EUは石油をはじめとする物価高騰に金利の引き上げを検討しているが、アメリカは金利の更なる引き下げを見合わせるのが関の山で、とても引き上げられる状況でない。G7の結束の乱れが1987年のブラックマンデーの再来を呼ぶのではないかと懸念されている。資源インフレの影響を最小限にとどめるため、政策当局としては自国通貨の下落は防ぎたいのだが、サブプライム問題に発し実体経済にまで及ぶ不良債権の増大に直面するアメリカとしては、他国に金利引き上げはしないでほしいと協力を頼むしかない。日本はアメリカの言うことを聞くが、EUははたして如何だろうか。推移から目を離せない局面にある。
 基軸通貨として久しく君臨してきたドルの苦悩を癒す特効薬が出てこない中で、世界の景気は長い不況に入ってきたと思える。

平成20年6月2日号

第330号

 ミャンマーの大水害、中国四川省の大地震はいずれも想像を絶する規模で死者の数もさることながら、被害を受け未だ避難生活から立ち直れない人々が1000万人を超えるとは、本当に怖いことで、対岸の火事と片付けられることではない。いずれも地球の中の自然現象で、地球誕生以来何十万回と無く起きてきたことだろうから、特別目新しいことではないだろうし、これからもどこで何が起きても不思議ではない。ただなんとなく感ずるのは、地球人口が増えエネルギー消費が増大した結果、オゾン層がほころぶとか、温暖化が進むといったことが、自然のバランスに変化を齎し、その一つとして大きな災害を齎す自然現象の多発に繋がっているのではないかということである。
 日本にも昔から地震、雷、火事、親父といって怖いもの、逆らえないものを表す言葉があって(4番目の親父は他のものに変えても言うが)、地震は何より怖いものである。近年では13年前の阪神大地震は人口密集地の地震であったため、新幹線の線路、高速道路の高架、ビルの倒壊、地下鉄の崩壊、都市ガス幹線パイプの欠損など、インフラの被害も多様な範囲に及んだ。高度化した社会ほどそのダメージは大きなものになるのではなかろうか。人智を尽くしても予知できぬ地震、対策にも限界があり、最後は来ないでと神頼みするよりほかない。
 地球温暖化対策は洞爺湖サミットで取り上げられる喫緊の課題であるが、石油価格の高騰、エコロジーへの関心の高まりもあり、エゴイズムを引っ込めた真摯な協議を期待したいものである。一方、日本の企業もドイツのシ-メンス社(風力発電機世界一)のようにエコ時代の商品に注力し、地球環境を良くする分野で活躍、貢献して欲しいものである。燃費の良い車に切り換えるとか、できるだけ乗らないようにするとか,エコのために、家計のために、私たちにもするべきことが、結構沢山ありそうである。

平成20年5月7日号

第329号

 中国の胡錦濤国家主席が来日、国威の昂揚を背景に、堂々と自信に満ち満ちた態度であるが、知的で温和な風貌が江沢民とは異なった印象を日本人に与えるように思える。中国は共産党政権が独裁する政治体制の国であるが、経済面では完全な資本主義国家であり、貧富の差は激しく、内政面に様々な問題を抱えているが、高い成長率が続き、東アジアの盟主国の地位は、最早日本から中国に移っていると言われている。その中国と地理的にもちかい日本が、古来より関わり深い関係が有ったのは当然で、戦争をする過去もあったが、友好関係を深めていくことによって、切磋琢磨しつつ、平和な関係がこれからも続いていって欲しいと願わざるを得ない。
 もう一つの近い国、ロシアとは領土問題が未だ解決しないままになっているが、1991年のソ連崩壊から17年、ロシアは奇跡の復活を遂げ、資源インフレの後押しもあって、経済の成長は著しく、しり込みしていた日本企業もここへ来て積極的に投資活動をはじめ、トヨタ、小松、日産、鈴木などが進出を決めている。リスクが無いとはいえないが、グローバル化の動きに遅れをとるわけにはいかないのである。この2国の成長と繁栄を後押ししているのは、その広大な国土に埋蔵されている様々な資源であり、その価格の高騰であることは明らかであるが、その原動力は政治体制であり、政治力である。毛沢東派を追放し、資本主義経済を導入した中国、エリツィンの後継者プーチン大統領が税制改革をはじめとした様々な改革を実行したロシア、この2国の目覚しい復活と繁栄はまだその途上についたところで、これからも続くと考えられる。わが国としては、両国とも久しく良き隣人関係を築いていかねばならないが、さてこちらの政治力は如何なものだろう。

平成20年4月1日号

第328号

 投打の主軸を引っこ抜かれたヤクルトが闘志を燃やし、巨人に3連敗を食らわせたセリーグの開幕緒戦、痛快と思う人も多かったのではなかろうか。勝つために手段を選ばない強欲は慎むべし、全員一丸となって燃えている組織は強い、などの教訓がここに見られる。
 スポーツの世界は稀な例外もあるが、ルールにそって戦い、勝敗が決まるが、政治の世界はそれほど単純ではない。衆議院は自公連合、参議院は民主が多数を占め、捻じれているため何事ももめてスムースに運ばない。日銀総裁空席の異常状態、道路特定財源にかかる暫定税率の期限切れなど、急を要する問題が山積していくばかりである。民主党、自民党、それぞれの組織の中には、現状を憂い打破したいと思うマグマも膨らんでいると想像する。そのマグマの爆発が日本の政治を変え、動かす日が来たら良いと思うのだが、そのような思いとエネルギーを持った人も、組織の中で頭を抑えられ、同志の組織が阻まれているのが実態なのだろう。
 かくして、時の氏神の出現を待ちつつ、政治は混迷を続けていくのだろう。
☆三宝伸銅と三菱伸銅の合併について
 両社の親会社である三菱マテリアル㈱の1月25日開催の取締役会において、両社の合併が決議され、4月1日より統合された新社が三菱伸銅㈱の社名でスタートしました。

1、統合新社の概要
1)会社名   三菱伸銅株式会社
2)資本金   8,713百万円
3)株主    三菱マテリアル㈱100%
4)本店所在地 東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー 7階
5)社員数   1,356人
6)売上高   1,400億円
7)決算期   12月31日
2、  組織機構
 三菱伸銅㈱は『管理統括本部』、『生産統括本部』、『営業統括本部』の3本部制とし、『生産統括本部』は、『若松製作所(福島県会津若松市)』、『三宝製作所(大阪府堺市)』の東西2拠点の生産体制とします。
 『営業統括本部』は『東京営業本部』(本社内)および『大阪営業本部』(三宝製作所内)の東西2拠点を中心とし、名古屋支店、福岡支店を有する体制とします。
 以上のとおり、3月31日をもって、70余年の歴史を有する三宝伸銅の社名は消えることになりましたが、新会社の三宝製作所は三宝伸銅㈱の本社工場がそのままで、名称が変わったとご理解ください。皆さまに永年ご愛顧いただいております建築用銅板、条は今までどおり、新会社の『三宝製作所』で生産してまいります。ただし、梱包の衣装は今後漸次、三菱伸銅の社名入りのものに変わっていきます。新『三菱伸銅株式会社』は質、量ともに日本一の伸銅会社を目指し、スタートを切りました。何卒、倍旧のご支援を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

平成20年3月3日号

第327号

 今日は桃の節句である。床の間に雛飾りして、女児の成長を寿ぐ雛祭りの行事も、懐かしいひな祭りの童謡も、我が家では遠い昔の事になって久しい。二世代同居をされている家庭ではお孫さんがいて、ひな壇が飾られているところも沢山見られると思うが、核家族化した今日では、ゆかしい日本の伝統や文化の継承が薄らいで来ているのは否めず、実に寂しいことである。
 産業資材として大きな位置を占める鉄鋼が、鉱石や石炭などの高騰の影響を受けて、大幅に値上げされることになった。企業再編も進み、価格交渉力の主導権は完全にメーカーが握っている上に、国内市況は国際市況より割安の水準であるため、止むを得ないが、その影響の範囲は広く大きいものと思われる。
 また、我々の生活に直接関わる食料品も、小麦粉や食用油などの値上がりを映して、一斉に上がり始めた。
 反対に我々の収入は上がらず、売り上げは落ち、不景気の土壷にはまり込んでしまっている。不景気のなかのインフレ。スタグフレーションである。インフレを抑えるために発動される金利上げの金融政策も、アメリカのサブプライム問題発生後、逆に動かざるを得なくなっているから、需給関係が大きく緩むまで手の打ちようがないのが現在の実情と言えよう。じっと我慢の期間が当分続きそうである。
 非鉄金属も未だ需給が緊迫気味に推移し、中国の大雪による電力供給のトラブルが、産銅会社の操業に響いたことも材料となって、2月は思いのほか高騰しました。アルミ地金の高騰も同様です。
 三寒四温の季節に入りました。ご自愛を祈ります。

平成20年2月1日号

第326号

 大寒の冷え込みももう暫くで暦の上では春になります。名のみの春とは言え、梅の開花を見ると春の訪れの足音を感じるような気がします。早く暖かな季節になり、少しは仕事が出来るようにならないと、大変お困りになるところが増えてきて、どうにもならないことが出てくる心配があります。建築確認申請手続きが渋滞していることが足を引っ張っていると言われていますが、それだけではなさそうです。株式市場もサブプライム問題による金融市場の不安から、昨年末から大きく下落していますが、此れもそれがきっかけであることは確かですが、どうもそれだけではなさそうに思えます。日本の国の活力が他の国々と比べ、相対的に低下してきているところに、その根因があるのではないでしょうか。外資も引き揚げています。人口の老齢化、遅々として進まぬ構造改革、ねじれ国会の茶番劇、低金利政策の長期化による国民資産の収奪など、将来に希望が持てないことが多すぎます。今ほど政治の強いリーダーシップが必要な時に、それが期待できない歯がゆさがあるのは誠に残念です。国民所得倍増論を標榜した池田内閣、列島改造論を打ち出した田中角栄内閣、国民が元気になることを打ち立てました。一党過半数でなくなり、直面する問題の調整に汲々としている状態では、期待する方が無理かもしれませんが、中長期に日本のビジョンを打ち立てるリーダーが不在であることが残念であります。1月日経新聞の(私の履歴書)に登場した前FRB議長のグリーンスパン氏が『最近は共和、民主両党が角を突き合せるだけで、互いのつきあいは減っている。だから何事も前に進まない。政治が機能不全に陥りつつあるのでは、と時々不安になる。』と書いていますが、米国も共和党出身の大統領と上下院とも民主党が過半を占める議会では、わが国と同じで困難に正面から取り組む政治が期待でき無くなって来ているようです。
 構造改革により貧富の差が生ずることを避けようとすれば、構造改革は後退し経済の活性化が損なわれます。経済が成長するような景気対策をたて、経済が成長すれば、税収入も増え、必要な政策の実現が可能になります。国民が政治家に期待するのはそういうことで、景気が非常に悪くなってきていることに眼を向けず、重箱の隅をつつくような事ばかりしている有様には愛想がつきます。
 低価格競争を続ける民間企業にも問題があります。川上でおきた原材料価格の上昇を川下に転嫁することが難しく、取引先にコストアップ分を吸収することを求める。国内市場が飽和状態で数量が伸びない中ではコスト削減にも限界があり、交渉力の弱い中小企業がそのしわ寄せを受けることになる。低価格の消耗戦が続く限り、日本経済の活力の低下が避けられません。
 このような状況の中で、私たちは生き残りを賭けて、頑張らねばなりません。経営者の舵取りが問われる厳しい局面に直面していると言えるのではないでしょうか。

平成20年1月7日号

第325号

 明けましておめでとうございます。 旧年中は格別のご愛顧を賜り誠に有難うございました。本年も何卒倍旧のお引き立てを賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
  さて、景気後退を象徴するように、各国の株式市場は大きく値下がりする幕開けになりました。特にわが国は人工減少と老齢化が進み、国力が後退する方向にあり、成長が期待できない、まことに寂しいことになってきています。一方、中国やインドなどアジア諸国や東欧は諸外国の投資を呼び込み、著しい発展途上にあり、日本企業の進出も旺盛で、その勢いはまだまだ続くものと思われます。資源の消費が増え、温暖化が進むのも避けがたい事なのかもしれません。石油を始め資源価格の高水準は、アメリカの景気後退の影響を受けず続くように考えられます。
 奇しくも、昨年末の電気銅建値は一昨年末の建値と同じ820円で終わりましたが、新年早々の円高で下がると思われたものが下がらず、据え置きで始まりましたことが、それを象徴するように感じます。業界を取り巻く状況は大変厳しく、緊張と一層の努力が必至でありますが、最善を尽くし乗り切って行かねばなりません。
 最後になりましたが、皆様のご健勝とご繁栄を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。